遺品整理の現場から見えた社会の問い

孤独死、核家族化、独居老人の増加──
私たちの現場では
日々“現実”として立ち現れています。
全国の統計を見ると、
65歳以上の単独世帯は年々増加し、
孤独死の割合も確実に上昇しています。
孤独死の放置=つながりの消失
孤独死の早期発見は身内の方だけでなく、
新聞配達の方や近隣の方が
最初に気づくことがあります。
「郵便ポストに新聞が溜まっている…」
「最近〇〇さん見かけなくなったね…」
こうした小さな違和感は、
本来なら“早期発見の入口”になります。
しかし、日常の接点が薄いと
違和感があっても行動につながらず、
結果として発見が遅れてしまう。
この“つながりの消失”こそ、
孤独死を放置しやすい
社会構造の核心だと感じています。

孤独死を減らす鍵
もう一つ、現場で強く感じるのは、
制度が「遺族任せ」になりやすい
ということです。
自治体や福祉の仕組みは整っていても、
孤独死の発見や初動は結局、
「家族か近隣が気づけるかどうか」
に依存してしまう場面が多い気がします。
行政の巡回や安否確認制度があっても、
ネットワークから
抜け落ちてしまう世帯も存在します。
見守りサービスも
申請の手間や利用料が壁になり、
必要な人ほど利用できないことがある。
制度があるだけでは十分ではなく、
「本当に孤立する人を拾える形になっているのか」
という視点での見直しも必要だと思います。
私たちの役割
孤独死は、個人の問題として片付けられがちです。
でも、本当にそうでしょうか。
私はむしろ、「気づく仕組みが弱い社会問題」
だと感じています。
例えば、
- 民生委員のなり手不足により、地域全体のネットワークが縮小している。
- 夜間や土日の緊急事態に対応する体制が不十分。
など、体制にも限界があります。
私たちは現場に立つ者として、
遺品整理だけで終わらせたくありません。
「遺品整理を通じて、孤独死を世の中からなくす」
このくらのすけの理念を
現場の実感から社会の問として投げかけていく。
これが、私たちのこれからの大きな課題です。
前の記事へ
« 遺品整理の現場から見える「孤独死の現実」