遺品整理用語集:『デジタル遺品』
遺品整理用語集:『デジタル遺品』
ここ数年前までは『デジタル遺品』
という言葉はありませんでした。
昨今、パソコンやデジタルカメラ、
スマートフォンなどの普及が急速に増えました。
パソコンやデジタルカメラ、
スマートフォンなどのデジタル機器の中には
個人情報が記録されています。
このデジタル機器の持ち主が亡くなり、
遺品となったものを『デジタル遺品』といいます。
デジタル遺品は、適切な処理を行わないと
そこから個人情報を抜き取られ
悪徳業者や悪質な人に悪用されます。
また、デジタル遺品だけでなく
私たちのデジタル機器の管理も
今のうち行なっておくことで、
後の安全性に繋がってきます。
本記事をご覧頂くことで、
今後デジタル遺品を行う際に
デジタル遺品の危険性から
回避できればと思います。
【この記事でわかること】
・デジタル遺品について
・デジタル遺品からの危険性
・デジタル遺品の適切な処理
・まとめ |
それでは、上記の順でお伝えします。
デジタル遺品について
デジタル機器の情報は目に見えないため、
遺族に気づかれないまま
処分されてしまう事がほとんどです。
デジタル遺品の中に記録されている情報は、
次のものが比較的多いです。
・会員向けサイト(IDとパスワード)
・確定申告
・ショッピングサイト(IDとパスワード)
・住所録
・家計簿
・ネット銀行の口座
・仕事の資料やデータ(顧客情報など)
・FX取引や株取引
・プライベート情報(SNS、ブログ、ハードディスクに記録されたデータ、画像) |
デジタル遺品からの危険性
デジタル遺品から個人情報を抜き取られると
次のような危険性があります。
・不正アクセス(クレージットカード・電子マネー)
・SNSなりすましやブログの乗っ取り
・金融会社から取り立て(クレージットカード悪用)
・個人情報の漏洩(個人情報の売買) |
これらは代表的な事例ですが、
まだまだ、いろんな手口はあると思います。
また、このような被害に巻き込まれないためにも
私たち自身でデジタル遺品の管理を行い
悪質な犯罪から身を守らなければなりません。
デジタル遺品の適切な処理
デジタル遺品のデータを適切に処理するには
以下の3つが挙げられます。
・HDD(ハードディスク)のデータ削除
・SSDのデータ削除
・スマートフォンなどのデータ削除 |
では、順に解説します。
HDD(ハードディスク)のデータ削除
見られたくないデジタル遺品の情報を
抹消するには、
HDDを取り外して破壊する |
です。
この方法が一番確実です。
HDDに記録している情報は
自身で抹消しても、プロの手にかかると
復元できてしまいます。
削除してゴミ箱を空にしただけでは、
HDDからデータは削除されません。
もう1つ、削除する方法があります。
ソフトを使って何度も上書きさせる |
です。
この方法はHDDを破壊せずに済むので
パソコンを譲渡するときに適しています。
SDDのデータ削除
SSDとは、簡単にいうと『記憶装置』です。
(HDDと同じです)
オーソドックスな方法として、
「データを読み込めないくらい変形させてしまう」
方法がありますが、
それでもSSDのデータは復元可能です。
そこで、一番良い方法は、
破壊する前にSSDを暗号化しフォーマットしておく |
です。
Macの場合は、 ディスクユーティリティからフォーマットできます。 |
Windowsの場合は、 バージョンによって操作方法が異なるため、 ご自身で調べてフォーマットするしかありません。 |
スマートフォンなどのデータ削除
現在の中年世代が高齢者になると、
今後デジタル遺品の中で一番多いのが
スマートフォンだと考えられます。
スマートフォンの中を見るには、
原則パスコードを入力する必要があります。
故人のパスコードが分かれば
中身を調査することが可能ですが
パスコードが分からない場合が少し厄介です。
【iPhoneのパスコード解除方法】
iPhoneと同期させたことのあるiTunesがある場合は、PCでiTunesに繋げて復元することが可能です。 |
iPhone・iPadの持ち主は、
パスコードが分からなくなる前に
バックアップされることをお勧めします。
【iPhone内のデータ消去方法】
設定>一般>リセットの順で初期化できます。 |
※初期化にはパスコードとApple IDが必要です。
(パソコンやiPadからでもApple IDを入力可能)
【ApplePayを利用している場合】
iCloudにログインして、クレジットカード情報を削除できます。 |
【Androidのパスコード解除方法】
・パターン入力を解読
・マイクロSDに情報が残っていないか他の端末で調査
・Googleアカウントにメール・マップ・カレンダー・一部の写真・情報などが Googleのストレージにアップロードされていないか |
Androidをパソコンに接続している場合は、
パソコンにバックアップのデータが残っていないか確認します。
まとめ
生前に個人情報を消去や解約しておくのが賢明ですが、
特に高齢者の方は、データ処理の対策を行わず
放置されている方がほとんどです。
この放置が原因でデジタル遺品の
トラブルにつながることもありえます。
基本的にデジタル遺品は
パスワードを解除して終わりではないため
本人以外が内容を確認するには
想定以上の時間と労力がかかります。
家族には内緒にしておきたい情報などを
常に明かしておく必要はありませんが、
ご自身の死後に残されたご家族が困らないよう、
アカウント情報やログインID、パスワードなどを 家族に伝えておきたいものです。 |
また、大切な情報を記したノートを
保管しておくこともお勧めします。
最後までご覧頂き
ありがとうございました。
寺本
前の記事へ
« 相続税の税務調査次の記事へ
遺品整理用語集:『デジタル遺品の定額制サービス解約』 »