身内が誰もいない遺品整理のはずが…

遺品整理は、
必ずしも親族が行うものではありません。
身内(相続人)がない場合の遺品整理は、
通常、家庭裁判所が選任した
「相続財産管理人(相続財産清算人)」が進めます。
相続財産管理人を簡単に言うと、
身寄りがいない人の代わりに、
遺産の管理・処分・借金の支払いを行う人です。
今回、不動産屋さんからの紹介で入った
遺品整理がまさにそうでした。
乱れた部屋の奥にあった「先生の暮らし」
現場は平屋の一軒家。
正直に言うと、部屋は乱れていました。
家財道具も多く、
生活の荷物がそのまま積み重なっている。
そして、一番奥の部屋には
炉畳(湯を沸かすための囲炉裏)
と茶道具がたくさんありました。
その瞬間、
「この方はお茶の先生だったんだ」
とわかりました。

私が亡くなったら…
「私が亡くなったら、茶道具はお弟子さんにあげて欲しい」
これが、晩年90歳の先生の遺言だったそうです。
実際に、持ち帰られた形跡がありました。
大切にしてきたものが、
きちんと次の人へ渡っていく。
身内がいない現場で、
そこだけは“途切れていない”と感じながら、
少し救われる気持ちになりましたね。
それに加えて、もう一つ心に残ったのが——。
1枚の写真が教えてくれた「もう一つの家族」
茶室の押し入れから出てきた1枚の写真でした。
たくさんのお弟子さんたちと
一緒に写った集合写真。
老若男女、中には小学生の子もいました。
弟子に囲まれ、
学びや時間を分かち合う暮らしが、
そこに確かにあったんだと思います。
遺品整理は、その人がどう生きてきたかを、
遺品から教えてくれることが多いです。
血縁がないと寂しい
確かにそうかもしれません。
ただ、今回の先生のように、
身内がいなくても人とのつながりは残る。
茶道具と写真が、それを教えてくれた現場でした。

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