遺品整理に30万円!「これって高くないですか」
遺品整理を業者に任せたら30万円!?
先日、Q&Aサイトでこのような質問を目にしました。
祖父の遺品を業者に任せることにしました。
見積りを出してもらったら、
「30万円」と言われました。
タンスが3つとその他に、
こまごましたものが沢山ありましたが、
これって高くないですか?
この質問に対してですが、
物量が分からないだけに何とも言えませんが、
ただ、この質問者が「高い」と感じた理由には
2つあると思います。(あくまでも憶測です)
1:お見積りの明細が曖昧であった
(明細が全て一式で書かれていたり、
お見積りの内訳などの説明が無かった)
2:本当に高い金額を提示された
まず、2番は論外です。
1番ですが、
見積書を提示した際に内訳の詳細を
しっかりとご依頼者様に説明し、
納得して頂ければ今回のような不安は
無かったのでは、と思います。
業者の処分料を分析
では『お見積り金額30万円』
について分析します。
タンスが3つとその他に、
こまごましたものが沢山ありました…
まず、これらの不要品は
混合廃棄物に分類されますね。
混合廃棄物とは、
・木くず・紙くず・繊維くず
・廃プラスチック・ゴムくず
・金属くず・ガラスくず
・廃プラ・可燃ごみ
などが、“一切合切”合わさったものです。
混合廃棄物の場合、
基本的に処分料は重量ではなく
立米(リュウベイ)で計算されます。
1立米は1m×1m×1mの
立方体だと思ってください。
処分料は各企業によって様々ですが、
1立米、10,000円〜24,000円です。
この金額の幅は、
何種類のゴミが混ざっているかや
その素材によって異なります。
たとえば、
瓦やブロックなどのガレキ類が混合すると
1立米/18,000〜20,000円になります。
また、石膏ボードやアスベストのスレートなどは
1立米/20,000〜24,000円とグンと高くなります。
今回は、平均値の1立米1万5千円で
予測しておきます。
このように計算すると処分料が30万円なので
質問者のゴミの量は20立米はある計算になります。
三辺の寸法が2.7m×2.7m×2.7m
の立方体分の物量です。
これは4畳半の部屋に
天井まで廃棄物をギッシリ詰め込んだ
とイメージしてもらえると
分かりやすいのではないでしょうか。
トラックだと、
2トントラック箱車2台分にあたります。
※箱車とは、クロネコヤマトさんのトラックを
イメージしてください。
車種 | 積める最大目安 |
---|---|
軽トラック | 約3立米 |
2トン平ボディ | ~約7立米 |
2トン平ボディ・ロング | ~約11立米 |
2トンアルミバン(箱車) | ~約11立米 |
話をまとめますね。
【質問者・祖父の遺品整理】
業者からの見積り金額:30万円
物量:20立米
トラック:2トン車×2台
作業員:3名(仮定)
ただ、物量を20立米で計算すると
人件費や諸経費がでません。
なので、実際にはもう少し
廃棄物は少なかったと思います。
こうやって逆算してみると見積り金額も
そんなに的を外してはいないのでは…
といった感じです。
遺品整理のお見積り金額は
『廃棄物の量と立地条件』
が8割りを占めています。
最終結論を申しますと、
「処分費用30万円」が高いか安いかは
正直、文章だけでは何とも言えません。
明瞭な遺品整理のお見積りは、
現地での査定が必須です。
業者と市町村のゴミ処理施設の料金の違い
ほとんどの遺品整理業者は、
一般廃棄物収集運搬業の許可を持った
業者と提携しています。
当然ですが、私たち業者は
市町村が運営している施設には
持ち込むことができません。
よって、廃棄物にかかる経費は
市町村が運営している施設と比べると
高くなります。
たとえば、タンス3台を軽トラで処分すると
約3立米になります。
タンスだけでしたら、混合物にならないので
1立米8,000円くらいでしょうか。
これで計算すると、
処分費用は2.4万円になります。
仮に一般の方が、
市町村の廃棄物処理施設に持ち込むと、
10kg/100円(各市町村により異なります)
60kgのタンス×3台=180kg
1,800円となります。
一般廃棄物収集運搬業者に依頼すると
10倍以上の処分料が掛かることが分かります。
今回は単純計算なので、
現状よりも少し高かったかも知れません。
なんと言っても、
処分費用を一番安く抑える方法は
ご自身で分別して市町村の処理施設に持ち込む
です。
緊急性のない方で時間と労力がある方は
この方法に至るのではないでしょうか。
寺本
遺品整理を安く抑える方法の1つです。
よかったら参考にしてください。
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