相続で揉める前に遺産相続の基礎知識-2
前回の記事の続きになります。
↓ ↓
前回の記事の内容で、
『被相続人が残した負債(借金など)
までが遺産相続の対象になる』
お話しでしたが、
今回の記事はその解決法も含めて
遺産相続の基礎知識をお伝え致します。
遺産相続の知識は
知っておいて損はないですし、
いざという時に必ずお役に立ちます。
ぜひ最後まで
お付き合い頂ければと思います。
相続で揉める前に遺産相続の基礎知識-2
遺産相続には3つの選択肢があります。
1:単純承認
2:相続放棄
3:限定承認
|
では、順番にお話しします。
1:単純承認
単純承認とは、権利も義務もすべて承継する方法です。
相続に限定を付けないので、
プラスの資産もマイナスの負債も承継します。
(プラスの資産・マイナスの負債の説明は
前回の記事でお伝えしているため省略しています)
よって、被相続人が借金をしていた場合に
単純承認を選択すると、
相続人が借金を返済することになります。
仮に相続人が借金返済できないなら、
相続人が自己破産しないといけないため
注意が必要です。
通常のケースでは、
遺産相続に負債がない場合は、
単純承認をして相続人同士が
遺産分割協議をすることが多いです。
2:相続放棄
相続放棄とは、文字通りで遺産を
一切受け取らずに放棄することです。
プラスの資産もマイナスの負債も
相続することはできません。
プラスの資産からマイナスの負債を差し引いて
プラスの資産がマイナスの負債を
上回るようでしたら
相続放棄を選択しない方がいいです。
また、実家の不動産など守りたい財産がある場合は、
相続放棄をするとその不動産も失うことになります。
相続放棄は相続人にとって
遺産相続のメリットを感じられない場合に
選択するといいでしょう。
3:限定承認
限定承認とは、遺産の内容を調査し
プラスの資産がマイナスの負債を上回っている場合、
そのプラス部分のみを相続する方法です。
負債が資産を上回っている場合は
相続は起こらないためリスクがありません。
ただし、限定承認を選択した場合は
共同相続人全員で行う必要があります。
相続人のうち一人でも
単純承認または相続放棄を行うと、
単独で限定承認を行うことが
できなくなりますのでご注意ください。
大切なまとめ
遺産相続の3つの選択肢 | ||
方 法 | 説 明 | |
単純承認 | 相続する | 被相続人すべての財産・債務を相続する |
相続放棄 | 相続しない | 財産・債務、すべて相続しない |
限定承認 | プラス部分のみ相続する | 受け継いだ財産の範囲内で引き受ける |
相続を行うには、
法律によって定められた法定相続人が
遺産相続することになります。
そして、誰がどの遺産を取得すべきかを
相続人らが集まって具体的に話合いをする
必要があります。
この話し合いを遺産分割協議と言います。
遺産分割協議を行って預貯金の相続手続きや
不動産の相続手続きをするには
必ず遺産分割協議書が添付書面となります。
遺産分割協議書を作成する場合は、
署名及び捺印(実印)が必要です。
署名及び捺印(実印)がされていないと、
添付書面として認められず
相続手続きが進まなくなります。
遺産分割協議の内容は原則、自由です。
遺産分割で相続人が揉めないためには、
その家族関係や被相続人の意思を考慮し、
柔軟に対応していくのが一番です。
最後に
金額で指定してしまう遺産分割協議の
注意点をお伝えします。
たとえば、
「長男には〇〇万円」
「次男には〇〇万円」
といったように金額で
指定してしまうケースです。
その理由は、
・相続開始時から預貯金口座内のお金が変動する場合がある。
・株式や投資信託は、解約日によって金額が変動する。 |
この2点です。
遺産分割の分け方は自由ですが、
できることなら金額での指定は避けた方が賢明です。
金額の変動によって、
後々トラブルの原因になります。
もう1点お勧めできない分割方法に、
預貯金口座ベースでの分割があります。
たとえば、
〇〇銀行〇〇支店の普通預金口座は長男
△△銀行△△支店の普通預金口座は次男
このような分け方です。
よくあるのが、
葬儀代や病院代などの精算
(自動引き落とし)により
「通帳を開けて見ると思ったより少なかった」
といったケースです。
あと、同一銀行に複数の口座や
定期預金があった場合は、
各預金口座の分割方法について
触れておかなければなりません。
〇〇支店の普通預金口座は長男であっても
定期預金の継承先が分からない場合は、
再度、遺産分割協議をしなければなりません。
別支店に預金口座があることが
判明した場合も同様です。
残高証明書を全て取得して
確実な口座を把握できている以外は
手間が増えるだけですので
預金口座での指定は避けた方が無難です。
最後までご覧頂き
ありがとうございました。
つづく
寺本
追伸:遺産相続について、
より詳しく知りたい方には
専門家のサイトをご覧になってください。
ついでに見ておく→:相続放棄をするなら遺品整理をするな
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