備前焼 人間国宝を知る「金重陶陽」
備前焼 人間国宝を知る「金重陶陽」
1896年岡山県備前市伊部に
窯元、金重媒陽の長男として生まれる。
金重陶陽(かなしげとうよう)
本名 金重 勇
小学校卒業後、父について備前焼の道に入ります。
1928年32歳頃から表千家で茶道を学び
茶陶への造詣を深めています。
北大路魯山人やイサム・ノグチらと親交があり、
彼らの芸術性に影響を受けます。
そして、彼らを通して備前焼が世に知られるよう
なりました。
江戸時代以降、人気を失っていた備前焼を復興させ
1956年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。
1967年、天皇、皇后両陛下備前町行幸啓の際には
御前制作勲四等旭日小綬章授章
1967年 71歳で死去
自身を含め、弟子の中からも人間国宝を輩出させ
備前焼きの歴史上残した功績は計り知れません。
また、陶芸一家であり、
弟 金重素山・長男 金重道明・三男 金重晃介と
それぞれ活躍しています。
作品の特徴
金重陶陽の作品は土から焼き、作りまで至り三位一体となっている
備前焼らしい落ち着いた雰囲気の作風が特徴です。
何よりも金重陶陽の魅力は造形やろくろ目、土味から焼成に関し
「備前焼中興の祖」と言われているほど備前らしさを
緻密な計算による技術で制作された作品です。
(金重陶陽作)
真贋方法
贋作が多く流通する美術品。
金重陶陽の作品も、多くの贋作が出ています。
真贋のポイントの一部として、
・作品の造形美
・印銘・掻銘
・共箱の箱書き
これらを確認します。
金重陶陽 備前湯呑
陶印が比較的短めの「ト」になっていることから、
昭和30年前後に制作された晩年期の作品であると思われます。
この「ト」のサインは、親交のあった北大路魯山人の
「ロ」というサインの影響です。
共箱に、作品名や名前がある事を確認します。
※こちらも金重陶陽の掻銘の1つです。
ネットオークション相場価格
ヤフーオークションなどのネットでの相場価格は、
上記のような湯呑では、
15000円~60000円程で取引されています。
値段は、
・作品の状態
・真贋鑑定がある
・共箱や書付がある
などの有無で大きく変わってきます。
白石
関連記事:備前焼の歴史と人間国宝
前の記事へ
« 備前焼の歴史と人間国宝次の記事へ
備前焼 人間国宝を知る「藤原啓」 »